紅葉も終わり木々もすっかり葉を落としたころ、柿の実が色鮮やかになり、干し柿作りが最盛期を迎える。昔はどこの家の軒下にも干し柿が吊るされて、冬の収入源であったが、今では干し柿をつくる家は激減してしまった。干柿は妙丹柿という品種で渋味があるが、寒さにさらされて渋味が抜けて甘い干柿になる。縁起物?として関東地方へ出荷されたり、高級和菓子に使われたりするようだ。
祖母が生きていたころは、我が家でも干し柿を作って出荷していたので、小学生の頃から柿を収穫を手伝った。柿の木は10m以上あり枝は折れやすいため、枝が折れて梯子から落ちたことが2度ある。落下場所が土の上なので怪我はしなかったが、ドサッ!という音と呼吸が止まるような(気を失ってた?)記憶が残っている。
父の「大丈夫か?」ではなく「梯子のかけ方が悪いんだ!しっかりとした枝に梯子をかけろ!」と怒鳴られた記憶もある。それでも柿の収穫は、かなりの高額な小遣い稼ぎになった。柿の皮を剥いて、竹串に刺し軒下に干すのだが、皮を剥く作業は刃物を使うので手伝うことはなかった。ベテランの祖母でさえ指を切ることは何度もあった。
干柿つくりを撮影しに親戚にお邪魔した。
昔ながらの道具で皮を剥き、竹串に刺し軒下に吊るす。
懐かしい光景だった。
「休憩にしよう」と声がかかる。
薪ストーブの周りに集まりお茶を飲む。
鍋でカボチャを煮込んでいて、お昼に食べるそうだ。
干柿作りが終わってホッとすれば大晦日。
来年も健康で豊作でありますよう!
「カボチャを食べていけ」
特に予定もないので、カボチャが煮えるまで待つとしようかな。